プロレス立寄所

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プロレスDVD紹介 史実 新日本vsUWF

今回は、プロレスDVD紹介といたしまして、「史実 新日本vsUWF 妥協なき闘い! 新日本vsUWF抗争 DVD-BOX」(DVD3枚組)を取り上げます。

これは、第1次UWF崩壊後に新日本プロレスにUターン参戦した、前田日明藤原喜明をはじめとするUWFの5人とアントニオ猪木藤波辰巳新日本プロレス勢との抗争をダイジェストしたDVDです。なお、収録されている期間は、1985年12月のUWF勢が新日本マットに復帰するシーンから東京体育館での5vs5イリミネーションマッチ両国国技館での勝ち抜き戦等を含め、1988年3月の馳浩−高田延彦戦まで約2年半となっています。

今観て思うのは・・・当たり前ですが、とにかく皆若い(苦笑)。当時既に「老いたなあ〜」と思って観ていた猪木ですら、全然若く見えてしまいます。何気に藤原組長は外見的にあまり変わっていなかったりしますが(苦笑)。

さて、内容は「イデオロギー抗争」という側面を持っていたため、例えば有名な「ロープに飛ばす」という行為を巡る駆け引き等、今観ても色褪せない部分は多々あります。また、UWF勢のキックの速射砲を浴びながらも、「プロレスの醍醐味」を体現しようとする新日本勢の姿に感動させられたりもします。ただ、現在のK-1PRIDEを見慣れた若い人はどうでしょう?「全然効いてないじゃん」の一言で片付けられそうな場面が多々あったりしそうです。この辺はやはり「時代の流れ」を感じてしまう部分ですね(実際、自分でさえ当時熱狂した「高田越中」のジュニア版名勝負数え歌等も今あらためて観てみると、「あれ、こんなもんだったかなあ?」と思う場面が多々ありました)。

しかしながら、この抗争スタートから約1年半前に行われた、新日本正規軍−長州率いる維新軍5vs5全面戦争(1984年4月・蔵前国技館)において、その最終カードとなったアントニオ猪木長州力戦の際に、猪木が長州に「アキレス腱固め」をかけるシーンで誰も盛り上がらなかったことを考えると、UWF勢の残した功績の大きさを思わずにはいられません。

ある一定の年齢層以上の方向けかもしれませんが、「あの頃」を思い出したい方にはオススメできるDVDです。

オススメ度:★★★★(5点満点)
史実 新日本vsUWF

プロレス本・書籍紹介 A級戦犯‐新日本プロレス崩壊の真実

今回もプロレス本書籍の紹介を続けます。今回ご紹介するのは、新日本プロレス前代表取締役社長である草間政一氏の手による「A級戦犯‐新日本プロレス崩壊の真実」です。
本書は、これに先立つ書籍である「知りすぎた、私」と一緒に読んでいただいた方が理解が深まり、また、その方が数段面白さが増す、と言う意味では前著の続編的な位置づけです。

ご存知のとおり、草間氏はプロレス業界とは全く縁のない生活から突然の社長就任、新日本プロレスの建て直しに尽力した後、諸事情(苦笑)により同社を去っています。この本はそのあたりの経緯を詳しく書いており、また、それまである意味「ブラックボックス」化していたプロレスという一「企業」の経営面にも鋭くメスを入れているあたり、他ではなかなか読めない代物となっています。

内容もできる限り客観的な記述を心掛けているようですし、また、恐らく請われて就いた社長であるにもかかわらず、あっという間に豹変し、勝手に追い出した新日本プロレス(またはアントニオ猪木氏)に対して相当な「恨み」があるはずですが、それを超越した視点で執筆している(ように見える)点は大いに評価できると思います。氏の「ビジネスマン」という視点は確かなものであると思いますし、逆にこれまで幾多のプロレス団体が衰亡を繰り返してきたという点に鑑みれば、こと「経営」に関しては、レスラーからの反発さえ吸収できれば、業界以外の背広組がこれを遂行した方がベターなのではないか?とさえ感じます(そういう意味では、本来一ビジネスマンであるにもかかわらず、リングに上がることも厭わないビンス・マクマホン氏の手法は、レスラー・背広組どちらからもシンパシーを得られるものであり、卓越しています)。また、結果的に「暴露」話となってしまっている箇所も見受けられますが、淡々と事実を記載している、というトーンは全篇を通じ貫いているように感じられ、説得力が増しています。

何やら草間氏のベタ褒めのようになってしまいましたが、別に氏を擁護するするつもりなどは全くありませんし、退任に際し氏に非がなかったかと問われれば、否定もしません。ただ、今後のプロレス団体の運営を考えていく上で、本書はその道標の一つとなるであろう、優れたものであると思うだけです。できれば2冊併せて読まれることをオススメします。

オススメ度 2冊一緒で★★★★★(5点満点)
A級戦犯 知りすぎた、私

プロレス本・書籍紹介 流血の魔術 最強の演技

今回もプロレス本書籍の紹介をいたします。紹介するのは、近年のプロレス業界に最も衝撃を与えた、といっても良く、皆さんの中にも読んだ方が結構いらっしゃるのでは?と思われる、ミスター高橋著「流血の魔術 最強の演技−すべてのプロレスはショーである」です。

既に5年も前の出版ですが、それまで、「暗黙の了解」であったプロレスのシナリオ等について、選手間の打ち合わせを含めその詳細に至る部分まで始めて(国内で)描写した、という点においては、プロレス本・書籍のエポックメーキング的な役割を果たし、「もう(プロレス業界に)遠慮はいらない」とばかり、以後「シナリオありき」前提の本が当たり前のように出版されるようになる流れを生み出しました。

内容的には記憶違いや思い込み?に基づく誤った記述も散見されるのですが、それらを超越したインパクトがあったことも事実です。ちなみに私の場合、「アントニオ猪木アンドレ・ザ・ジャイアント戦における猪木の勝利(有名な「ギブアップ」勝ち)を、新間氏の報告のもと、事前にWWF(当時)マクマホン氏(いわゆる「ビンス」ではなく、その父)に、アンドレの応諾が得られればOKという旨了承を取り付けた」という記述が、最初に「?」を感じた部分でした。というのも、この件より3年近く前に新間氏は新日本を去っていたことを覚えていたからです。有名な話ですが、1983年の「新日本クーデター」で新間氏は取締役を辞任し同社を去っていますので、1986年のアンドレ戦時はもちろん何の関わりもありませんでした。さらに言えば、当のマクマホン氏も1984年に死去しています(この後、ビンスの全米侵攻が始まりました)。我々一般ファンさえ覚えているのに、一体、記憶をどう遡ったらこのような記述になるのか理解に苦しむ所ではあります。

というような明らかな間違いこそありますが、何だかんだ言っても避けて通れない一冊であることは間違いないので、プロレスファン必読の書と言っても良いと思います。

最後に、ミスター高橋氏の考え自体、賛同できる部分、できない部分いろいろありますが、一部で言われているように「私怨」を感じさせてしまう記述がある点は残念な限りです。これがため、「自分の考えを退けた新日本プロレスに復讐している」との印象を読者に与えかねず、折角の内容が曇って見えてしまう方もいっらっしゃるでしょう。

なお、同氏はこの後第2弾・3弾と出版攻勢をかけていくことになりますが、それは今後取り上げてみたいと思います。

オススメ度 ★★★★(5点満点)限りなく5に近い4
流血の魔術 最強の演技

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