プロレス本・書籍紹介 WWEの独裁者
本日もまたまた、プロレス本・書籍の紹介です。今回は、日本のプロレスではなく、アメリカのプロレス戦争の内情を書き上げている「WWEの独裁者―ビンス・マクマホンとアメリカン・プロレスの真実」をご紹介します。この本は、国内でさえもう2年半前に出版された本ですが、今読んでもその時間的なハンデを感じることは全くありません。
さて、本書はWWE非公認ながら、ハルク・ホーガンをその尖兵として繰り広げたビンスの全米侵攻や、その侵攻に伴うメディア戦略といった「リング外の戦い」に主として焦点を当て、これを客観的かつ鮮やかに描写しています。また、ホーガンのWCW移籍後に同団体を支えた、”ストーンコールド”スティーヴ・オースチンや”ヒットマン”ブレッド・ハート、ショーン・マイケルズとHHHの「D-Generation X」(「DX」)等がメディアの倫理規制といかに闘い、そしてブレイクしていったか(これも結局はビンスの方針、なんでしょうけど)等もよく描かれています。
この他、当時、実質的に「カルテル」であったNWAの内情や他のマーケット等にも切り込んでおり、このあたりは非常に興味深く、また資料的価値も高いものとなっています。まだまだ「プロレス真剣勝負思想」が一般的であった時代に、各地区のプロモーターが合議制でチャンピオンを決定していた、という事実は現在でこそ当たり前のように皆さんご存知ですが、ある意味「時代」を鋭く抉り出していると言えるでしょう。ただし、プロレスとは縁がない著述陣のためか、ところどころ誤りがあったりします。これをキチンと巻末で補足・訂正しているのがプロレスライターとして著名な斎藤文彦氏ですから、アフターフォローも万全と言えます。
自身、1985年3月31日に初めて開催された業界最大イベント「レッスルマニア」の詳細を週刊プロレスあたりで読んだ時に「これはすごいイベントだな」と思ったことを覚えていますし、当時、全米侵攻がスタートしたばかりであったにもかかわらず、(記憶が確かなら週プロに)「米国プロレス関係者の間では、このイベントで『勝負あった』という雰囲気が漂っている」というような趣旨のコメントが載ったりしていて、「それ程すごいのか」と認識をあらためたことも鮮明に覚えています。ちなみに、ちょうどこの「レッスルマニア」が開催される少し前に、長州力ら維新軍等の大量離脱でどん底に喘いでいた新日本プロレスにブルーザー・ブロディが電撃移籍を果たしたことも、併せて思い出してしまいます(大物外国人レスラーの移籍がよほど嬉しかったのか、この時は、テレ朝のニュースでも取り上げられていました)。
正直申し上げて、アメプロにこれほどのパワーがあり、そして市場がここまで大きくなるとは、20年くらい前は全く予想もしていなかったため、現在の繁栄(さすがに一時よりパワーダウンはしていますが)はまさに隔世の感があります。しかしながら、アメプロがここまで大きくなった、という事実、そしてWWEは株式公開を果たしており、スポーツエンターテイメントを代表する企業となっているという事実は、今後の日本のプロレスを考える上で様々な方法論を示唆していると言えるのではないでしょうか?
相変わらず、アメプロにも賛否両論はありますが、学ぶべき点も多々あることは間違いなく、本書は万人にオススメできる一冊となっています。
オススメ度 ★★★★★(5点満点)

さて、本書はWWE非公認ながら、ハルク・ホーガンをその尖兵として繰り広げたビンスの全米侵攻や、その侵攻に伴うメディア戦略といった「リング外の戦い」に主として焦点を当て、これを客観的かつ鮮やかに描写しています。また、ホーガンのWCW移籍後に同団体を支えた、”ストーンコールド”スティーヴ・オースチンや”ヒットマン”ブレッド・ハート、ショーン・マイケルズとHHHの「D-Generation X」(「DX」)等がメディアの倫理規制といかに闘い、そしてブレイクしていったか(これも結局はビンスの方針、なんでしょうけど)等もよく描かれています。
この他、当時、実質的に「カルテル」であったNWAの内情や他のマーケット等にも切り込んでおり、このあたりは非常に興味深く、また資料的価値も高いものとなっています。まだまだ「プロレス真剣勝負思想」が一般的であった時代に、各地区のプロモーターが合議制でチャンピオンを決定していた、という事実は現在でこそ当たり前のように皆さんご存知ですが、ある意味「時代」を鋭く抉り出していると言えるでしょう。ただし、プロレスとは縁がない著述陣のためか、ところどころ誤りがあったりします。これをキチンと巻末で補足・訂正しているのがプロレスライターとして著名な斎藤文彦氏ですから、アフターフォローも万全と言えます。
自身、1985年3月31日に初めて開催された業界最大イベント「レッスルマニア」の詳細を週刊プロレスあたりで読んだ時に「これはすごいイベントだな」と思ったことを覚えていますし、当時、全米侵攻がスタートしたばかりであったにもかかわらず、(記憶が確かなら週プロに)「米国プロレス関係者の間では、このイベントで『勝負あった』という雰囲気が漂っている」というような趣旨のコメントが載ったりしていて、「それ程すごいのか」と認識をあらためたことも鮮明に覚えています。ちなみに、ちょうどこの「レッスルマニア」が開催される少し前に、長州力ら維新軍等の大量離脱でどん底に喘いでいた新日本プロレスにブルーザー・ブロディが電撃移籍を果たしたことも、併せて思い出してしまいます(大物外国人レスラーの移籍がよほど嬉しかったのか、この時は、テレ朝のニュースでも取り上げられていました)。
正直申し上げて、アメプロにこれほどのパワーがあり、そして市場がここまで大きくなるとは、20年くらい前は全く予想もしていなかったため、現在の繁栄(さすがに一時よりパワーダウンはしていますが)はまさに隔世の感があります。しかしながら、アメプロがここまで大きくなった、という事実、そしてWWEは株式公開を果たしており、スポーツエンターテイメントを代表する企業となっているという事実は、今後の日本のプロレスを考える上で様々な方法論を示唆していると言えるのではないでしょうか?
相変わらず、アメプロにも賛否両論はありますが、学ぶべき点も多々あることは間違いなく、本書は万人にオススメできる一冊となっています。
オススメ度 ★★★★★(5点満点)



