プロレス立寄所

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プロレス本・書籍紹介 日本プロレス帝国崩壊

現在、プロレス業界(いや、「格闘技業界」とした方が妥当でしょうか)を最も賑わせているのは、今回ご紹介するプロレス本書籍である「日本プロレス帝国崩壊―世界一だった日本が米国に負けた真相」の著者、タダシ☆タナカ(田中正志)氏だ、という人はかなり多いと思われます。早くから、所謂「シュート活字」で活躍されている方で、その影響力は相応に大きいと思われ、実際、氏の筆力のおかげか?週刊現代の特集記事からアングラ組織とのつながりが発端となり、フジテレビがPRIDE中継から撤退する、という事態が引き起こされた側面は否定できませんし、次はK−1がターゲット、等相変わらずきな臭い噂は後を絶ちません。最近は氏を糾弾する記事も結構眼にしますが、このあたりの評価は難しいところかもしれませんし、本稿の趣旨には合いませんのでここではさておくことといたします(個人的には、PRIDEがTVで観られなくなった、という事実は誠に残念でありますし、また、「興業」と「アングラ組織」との深い関係は、その善悪は別として、プロレスに限らず芸能界等見てみれば「切っても切れない」仲であることは明白です)。

さて、そんな氏が以前(といっても2004年夏ですが)に出版した本書ですが、WWEをはじめとするアメプロが、アメフト等のメジャースポーツを脅かす存在に到達するほどの隆盛に至る過程や、これに対して新日本プロレスをはじめとする日本のプロレス団体の動きの悪さ・鈍さ等からその地位を危うくしていく過程等を、在米期間の長かった氏ならではの独自の鋭い視点と確かな洞察力で鮮やかに描写しています。このあたり、とにかく非常に良くまとまっている、との印象で、アメプロ隆盛までの一連の流れをつかみたい方にはうってつけでしょう。

ただ、これは氏の著書全般的に感じられることなのですが、何となく一部のファンを突き放したようなところがあり、「いくら言ってもわからぬ奴はもう結構」というようなスタンスがそこはかとなく読み取れてしまうところはどうかな?と思います。基本的には、ミスター高橋氏等と同じく「カミングアウト肯定派」の方で、それなりの理論をキチンとお持ちなのですが、「俺の言っていることに間違いはない。だから俺の言うとおりにしろ」的な雰囲気が否応なく読者に伝わってきてしまうため、人によっては不快感を感じられる方もいらっしゃるのでは?と思われますし、氏のこういったスタンスも、無用の「敵」を量産することにつながっているように感じられます。この点、折角素晴らしい才能と理論をお持ちな方だけに非常に勿体無い気がします。

なお、氏は近年特に著書の出版が相次いでいるため、それらも別の機会にご紹介してみたいと思います。

オススメ度 ★★★★(5点満点)
日本プロレス帝国崩壊

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