プロレス本・書籍紹介 アントニオ猪木の伏魔殿
「伏魔殿」・・・かつて小泉政権が誕生した際に、当時圧倒的な人気を以って外相に就任した田中真紀子議員が外務省を評してこう言いました。「魔物が棲むところ」というような意味ですが、本書の発売時期からいって、この田中真紀子議員の発言がタイトルの由来の一つになっているのではないでしょうか。
ということで、本日ご紹介するプロレス本・書籍は、かつて新日本プロレスで「過激な仕掛け人」と呼ばれ、専務取締役営業本部長として辣腕を振るった新間寿氏が、2002年春に出版した『アントニオ猪木の伏魔殿―誰も書けなかったカリスマ「闇素顔」』です。
アントニオ猪木と新間寿、この二人の関係はどう表せばいいでしょうか?「腐れ縁」とでもするのが最も適当のような気もするのですが、とにかくこの二人ほど離合集散(といっても二人だけですが)を繰り返したコンビも珍しいところです。それも、コンビを組む時・解消する時はどちらも、いつも決まって猪木が一方的にそれを宣告するという、実に不可思議な関係でもありました。一般的な感覚から言って、複数回裏切られたら、もう何があってもその人を信用しなくなるだろうと思いますが、新間氏は「また一緒にやろう」と言われる度に協力し、そして裏切られるということを繰り返しています。新間氏からすれば、裏切りに遭う度に「もう二度とこの人とは付き合わない」と心に誓うのでしょうが、そこは「惚れた者の弱み」とでも言うのでしょうか、「プロレスラー・アントニオ猪木の持つ魔力」に引き寄せられてしまい、ついついまた元の鞘に戻ってしまう。。。この事実からは、新間氏のたいへん人間くさい一面が垣間見えてきます。
さて、本書はタイトルどおり、人間としての猪木寛至氏の「伏魔殿」振りを糾弾してはいますが、その一方でプロレスラー・アントニオ猪木を賞賛するという、まさしく新間氏の猪木に対する複雑な思いそのものがストレートに反映されていますし、その「評価すべき評価し、批判すべきは批判する」というスタンスは、読んでいて清々しさすら感じます。内容的には、いろいろなトラブル等を雑多に詰め込みすぎた感があり、一つ一つの項目が浅い記述で終わっていることは残念ではあります。特にUWF設立時の経緯等もう少し詳細に語れたはずなので勿体無いというか・・・。また、猪木氏に纏わる数々の事件?については、当時既に世に出ていたものも多く、「誰も書けなかった」という点については、いささか名前負けしている気がしないでもありません。それでも(あくまで「新間氏から見た」という但し書き付ですが)猪木寛至氏がいかに世間一般と常識がずれているかはひしひしと伝わってきますし、実際、事件になったことが多いという点もそれを裏付けています。
新間氏のプロレスにおける功罪については、既にいろいろなところで語られていますので、ここで申し上げることは特にはありませんが、ただ「プロレスを愛する心」もしくは「プロレスに何としてでも世間の耳目を集めたい」という意気込みをいつも体中から発散されていた方だけに、もう一花咲かせて欲しい人ではあります。
オススメ度 ★★★★(5点満点)

ということで、本日ご紹介するプロレス本・書籍は、かつて新日本プロレスで「過激な仕掛け人」と呼ばれ、専務取締役営業本部長として辣腕を振るった新間寿氏が、2002年春に出版した『アントニオ猪木の伏魔殿―誰も書けなかったカリスマ「闇素顔」』です。
アントニオ猪木と新間寿、この二人の関係はどう表せばいいでしょうか?「腐れ縁」とでもするのが最も適当のような気もするのですが、とにかくこの二人ほど離合集散(といっても二人だけですが)を繰り返したコンビも珍しいところです。それも、コンビを組む時・解消する時はどちらも、いつも決まって猪木が一方的にそれを宣告するという、実に不可思議な関係でもありました。一般的な感覚から言って、複数回裏切られたら、もう何があってもその人を信用しなくなるだろうと思いますが、新間氏は「また一緒にやろう」と言われる度に協力し、そして裏切られるということを繰り返しています。新間氏からすれば、裏切りに遭う度に「もう二度とこの人とは付き合わない」と心に誓うのでしょうが、そこは「惚れた者の弱み」とでも言うのでしょうか、「プロレスラー・アントニオ猪木の持つ魔力」に引き寄せられてしまい、ついついまた元の鞘に戻ってしまう。。。この事実からは、新間氏のたいへん人間くさい一面が垣間見えてきます。
さて、本書はタイトルどおり、人間としての猪木寛至氏の「伏魔殿」振りを糾弾してはいますが、その一方でプロレスラー・アントニオ猪木を賞賛するという、まさしく新間氏の猪木に対する複雑な思いそのものがストレートに反映されていますし、その「評価すべき評価し、批判すべきは批判する」というスタンスは、読んでいて清々しさすら感じます。内容的には、いろいろなトラブル等を雑多に詰め込みすぎた感があり、一つ一つの項目が浅い記述で終わっていることは残念ではあります。特にUWF設立時の経緯等もう少し詳細に語れたはずなので勿体無いというか・・・。また、猪木氏に纏わる数々の事件?については、当時既に世に出ていたものも多く、「誰も書けなかった」という点については、いささか名前負けしている気がしないでもありません。それでも(あくまで「新間氏から見た」という但し書き付ですが)猪木寛至氏がいかに世間一般と常識がずれているかはひしひしと伝わってきますし、実際、事件になったことが多いという点もそれを裏付けています。
新間氏のプロレスにおける功罪については、既にいろいろなところで語られていますので、ここで申し上げることは特にはありませんが、ただ「プロレスを愛する心」もしくは「プロレスに何としてでも世間の耳目を集めたい」という意気込みをいつも体中から発散されていた方だけに、もう一花咲かせて欲しい人ではあります。
オススメ度 ★★★★(5点満点)



